花氷*


 ずいぶん敵の数が多い。
 魔物の爪を受け止めながら、ヴェイグは息を詰めた。
 突然大量発生した獣やら植物やらの形をした魔物群。一気に囲まれて、倒さざるを得なくなった。仲間ともだいぶ距離が開いてしまったし、
「・・・っ!」
 押し返した刃で首を切り落とす。
 早く、合流しなくては。
 けれど切り伏せてもすぐに新手が来てしまう。倒した数よりも襲ってくる数の方が多い。
 ずるずると壁に追い詰められ、視界いっぱいに広がる巨大な魔物が、
「お前は・・・」
 瞬間周囲の魔物を巻き込んで倒れた。
 開けた視界の先に、長い黒髪。剣を肩に担ぐスタイルでヴェイグの前に現れた男はとりあえず襲いかかってきた魔物を切り捨てて。
「助けがいるか?」
 に、と笑って尋ねる。
「・・・頼む」
「りょーかい」
 言葉と同時に二人は背を合わせ、切り込んだ。

   

「これで、終わりだ!」
 ユーリが言いながら獣を一刀両断する。断末魔を上げる間もなく絶命したのを見届けてから、血塗れた剣を地面に突き刺した。
 ヴェイグは早々に剣を手放し、痙攣を起こしている指先を握り込む。思いの外長丁場だったせいで、体力も限界だった。
「大丈夫か?」
「あぁ・・・すまない、助かった」
 力が抜けて傾いた身体を支えられる。
 無理すんなよ、という言葉と共に地面に座らされた。
「おい、」
「待ってろよ、そこで。他のヤツ呼んできてやるから」
 ぼす、と頭を押さえられてむっとする。
 けれどヴェイグがなにか言い返す前に、彼は駆けていってしまった。
 あれだけ戦ってまだそんな余裕があるのかと思う。力の差を見せつけられた気がした。
「ヴェイグ!」
 傷が塞がる不思議な感覚に顔を上げると、遠くに仲間たちの姿が見えた。

きっかけ

(なんだか、複雑な気分)

  

  

だからなんだよ、って話←
ユーリはヴェイグを知ってるけど、ヴェイグはユーリを知らない
存在は知ってても名前は知らないというか。そんな男が助けに来たよ!みたいな←
ユーリは後詰め的に後から合流という感じです。だから結構余裕なんだよね
とりあえず初対面について書いてみた
ヴェイグのキャラが最初からどこ行った状態ですwww
100517