花氷*


「おかあさん」
 突然呼びかけられて、ヴェイグは目を瞬かせた。周りに人はいないから、どう考えてもその対象は自分である。
 おかあさん、と称したソフィに向き直ると、少女はもう一度繰り返した。
「ヴェイグは、おかあさんでしょう?」
「・・・ソフィ、どういう、」
 繰り返されたところでその意図がわかるはずもなく、ヴェイグは眉を寄せてソフィに問いかけた。
 小首を傾げていたソフィが、あのね、と理由を話し出す。
「だって、アスベルが言ってたもの。アスベルがおとうさんだから、ヴェイグはおかあさんだって」
「・・・・そうか」
 ちがうの?と尋ねてくるソフィになんとかそれだけ返して、ヴェイグは話題の転換に努めた。

「アスベル」
「ああ、おかえり、「おかあさん」」
 執務室に踏み込み、彼の名を呼ぶ。書類から顔を上げたアスベルが、小さく笑んでヴェイグを迎えた。
 その口から出た記憶に新しい単語にヴェイグは再び眉を寄せる。
 つかつかと執務机に近づいて、
「・・・っどういうつもりだ。オレは補佐としてここにあるのであって、」
「別にいいじゃないか。ソフィの世話もしてくれているわけだし」
 咎めたはずがさらりと流されて、ヴェイグは言葉をなくした。
 たしかに世話をしているというのは間違いではないが、ソフィもそんなに小さいわけではない。最近は花の世話だったりラントの町で子供たちと遊んであげたり、立派に成長している。
 だからヴェイグがすることといったら質問に答えることだったり常識レベルの勉強を教えたりとすることだけで、決して母親ではない。
 ということを簡潔に伝えるためにはどの言葉を選べばいいのかと考えているうちに、アスベルはぽんと手を叩いた。
「そうだ、今日バロニアに行ったときに見つけたんだけど」
 引き出しから取り出したのは小さな紙の袋。中から出てきたのは、青い石のついたシンプルなブレスレットだった。
 夕日に照らされて控えめに輝くそのブレスレットをアスベルは持ち上げて。
 もらってくれないか?と差し出してくるアスベルをヴェイグはしばらく眺める。
 そして、
「・・・ありがとう」
「どういたしまして」
 結局受け取って礼を言ったヴェイグに、アスベルは嬉しそうに微笑んだ。

外堀から埋めようか

(・・・だが、それとこれとは、)
(わかってる。オレは本気だけどな)
(・・・!)

  

  

発端は教官
アス→ヴェイであってアスヴェイではないけどいい夫婦
アスベルってちょっと大人になればずるくなれると思うんだ
外堀はソフィです。みんなソフィに弱いしね!(笑)
アスベルさんのレベルがあがりすぎてこれどこのユーリみたいになっている(ちょ)
どう考えてもf?なにそれみたいになってるけどなに気にすることはない←
111122