花氷*


 どちらかといえば分別はわきまえている方だと思う。
 好みと見たらナンパする赤髪や言動が大体胡散臭いあげくたまにセクハラ紛いのことをしては制裁されるおっさんに比べれば格段に。人前でいちゃいちゃするのは(本人の意向もあり)我慢しているし、二人きりでもやっぱりそれなりに抑えていたりして。
 ある時それは限界を迎えたりするのである。
「・・・ッ!?」
 食堂。
 ギルドのメンバーは何人かまとめて昼食をとることが多い。
 例によって入口で会った数人と共に食堂に入り、昼食がでるまでの間会話に花を咲かせる。口数が少ないながらも馴染んできた仲間の会話に参加して、心なしか気持ちも穏やかな気分になっていた頃。
 ヴェイグは背後から突然抱きしめられて、びくりと肩を揺らした。
 振り返ろうにも腕の力が強くて満足に動けない。
 回された腕に揺れる金の腕輪と顔の横から落ちてきている黒髪が、それがユーリであることを示していた。
「ユーリ・・・?」
 ユーリからの答えはない。腕の強さも変わらなくて。
 困って視線を向けた先に、仲間がいることに気づく。何も言わずに目をそらしたり、あはは、というなんだか乾いた笑い声を返されたり、真っ赤になって顔を覆われたり。
 そんな状態の仲間に助けを求められるはずもなく(むしろ傍目にどういう状況なのか教えられて火が出そうなほど恥ずかしい)自然と俯いたヴェイグの耳元に、いつもより幾分低い声が響いた。
「・・・ダメだ、我慢できねぇ」
「っ?」
 ぞわりと背筋を駆け上がる何かを感じてすぐ、解放される身体。それから三秒と経たぬうちに捕まれた腕。
 引かれる力に逆らえずに立ち上がり、ヴェイグは歩を進める。食堂を出る瞬間にちらりと振り返ると、幼なじみが苦笑して手を振っていた。
 このままユーリの自室に放り込まれたヴェイグがどうなったのかは、本人たちのみぞ知る。

堰などこの心には

(愛しい気持ちは止められない!)

  

  

そういう行為に至ったのかどうかはご想像にお任せwww
その場合わたしには荷が重いです(笑)
ただひたすらぎゅうっとしてるだけでもいいんじゃないかと思いますが
ユーリさんは大人なのでいろいろと普段はセーブしてそうだけど、不足しすぎるとぷっつんしたらいいなぁというお話です
ヴェイグはあんまりこういうこと慣れてなさそうだから、ヴェイグに合わせてくれてて・・・みたいな感じだともれなくわたしが喜びます(笑)
なんか微妙にお題とずれてる気もするけどまあいいか←
110406