「ヴェイグ」
「・・・?」
ユーリが連れていたのは、金髪に白い鎧をまとった青年。
少し前にアドリビトムに加入した騎士、だっただろうか。
「フレンのこと知らなかったよな?」
一応紹介しとく、というユーリの言葉と共に、フレンと呼ばれた青年が前に出る。にこりと、柔らかな笑みを浮かべた。
色白な手が差し伸べられ、ヴェイグを待つ。握手を求められているのだと気づくのに数秒。
同じように手を伸ばしかけて、グローブをつけている自分の手を見つめる。向こうが外しているならこちらも外すべきだろうかと悩むのにまた数秒。
ヴェイグの心が手に取るようにわかったらしいユーリが苦笑した。
「別にそのままでもいいと思うぜ、グローブ」
そうか?と首を傾げたヴェイグに、フレンが頷く。
それでもやはり、あまりいいものではない気がする。
思ってグローブを外そうと伸ばした指は、けれど第三者によって阻まれた。
阻んだのは、元からグローブをつけない手。
「ユーリ?」
「間違えた。外すな」
珍しく端的な指示に再び首を傾げる。隣でフレンがくすりと笑みを見せた。
それからフレンの手がヴェイグの手を握る。
フレン・シーフォです、
「よろしく、ヴェイグ」
「?・・・あぁ」
「んじゃ、次な」
なんだか急いだ様子でユーリがフレンの肩をつかんだ。
フレンがもう一度小さく笑って、珍しいユーリに不思議そうに瞬きをしているヴェイグに手を振った。
他にも挨拶する相手がいるのだろうとそれを見送ると、入口まで進んだユーリがとって返す。何事かと見つめるヴェイグの肩を軽く叩いた。
「後でまた来る」
耳元に顔が寄って、低い声が響く。
思わずリップ音を立てて離された耳を抑えると、ユーリが小さく笑った。
(嫉妬深いにもほどがあるんじゃないか?)
(そりゃ悪かったな)
いつのまにかユリヴェイ前提になってた←
素手で手を握ってほしくなかったユーリみたいな
フレンが素手だったのは挨拶まわりをしてたからです。一々グローブ外してたら面倒だしね
当初フレヴェイ風味にしようとしてたんだけど、わたしの中でフレンの相手が決まってしまったので(笑)
ドマイナーだがすでに気にしていない
110225
これもアスベル版に同じく
加筆修正 121001