花氷*


「ただいま、ヴェイグ」
 大盛況で幕を閉じたイベント会場を後にして、ユーリはドアを開ける。その声に振り向いたヴェイグが、おかえり、と小さく返した。
 けれどすぐに背を向けてしまうヴェイグに、ユーリは内心首を傾げる。なんというか、いつもより冷たい。
 サレに対する態度・・・というほどではないが、少なくともティトレイに対する態度くらいには冷たい。
「なにか、あったのか?」
「・・・いや、なにも。楽しかったようでなによりだ」
 思い当たる節がないから素直に聞いてみたはいいが、答えるつもりはないらしい。
 切り返し方もいつもと違う気がする。ユーリはヴェイグの背中を見つめた。
 なんにせよ、機嫌を損ねているのは確か。
「ヴェイグ、この後暇か?」
 原因を探るにもこの状態では無理がある。表情から気持ちを慮ることには長けていると自負しているのだが。
 そんなわけでまずは糸口を得る必要がある。そもそもユーリとしては、イベントを終えればヴェイグと過ごすつもりだったのだ。
 けれど、返った言葉は辛辣なものだった。
「暇じゃない」
「・・・え?」
 常になく間髪入れずに断られて、こちらも常になく間抜けな声を上げてしまう。
 リオンと出かける用事がある、と。気にした様子もなくヴェイグは続けた。
 そのまま立ち上がり、ユーリの隣をすり抜ける。声をかける間もなくドアノブが回り、けれどその音がふと止まる。
「・・・そうだ、」
 フレンと、お幸せに?
 振り返ったユーリに向けられたのは、絶対零度の微笑みだった。

発言には責任を持ちましょう

(・・・フレン・・・・)
(なんだいユーリ?)
(一発殴らせろ!)
(あはは、嫌だよ)
(・・・こいつ・・・わざとか・・・)

  

  

テイフェス一回目のV組問題行動について。かっとなって勢いで書いたらなんか長い(笑)
 ユーリさんはあんまり乗り気じゃなかったという裏設定で
一日目はもともと予定なかったって言うしね。乗り気じゃなかった理由はヴェイグがいないからです(断言)
ユーリさんがへたれでフレンは確信犯w
リオンは一日目にいたから友情出演。このあとは二人で甘いもの食べにいけばいいと思うよ
・・・というのを今更更新ですすみませんw
120710
加筆修正 130428