Eisblumelein:


 移動教室先は生物室。
 一時間分しかないのに実験をすること、終わらなければ三時間目まで延長すること。担当教師にはもちろんなんの口添えもしないこと。
 その上当然のように点数も下がりますよ?なんて笑顔で脅されたため、みんなの動きは迅速だった。この先生は、やるといったらやるのだ。
 移動教室なのにチャイムが鳴る前から生徒全員が席について、先生が話し出すのを待っていた。
「おやみなさん、関心ですねぇ」
 いい笑顔の先生が実験の説明を始める。
 隣に座るヴェイグもさすがに眠そうな顔はしていない。一切黒板を使わないから、聞き逃したらアウトだ。
 メモを取ろうと思っても追いつけるはずはなく、必然的に集中が最大の武器になるのだ。実験が始まるとわりと騒がしくはなるが、それに対してはなにも言ってこない。
 それでいて突然大事なことを話し出したりするから(絶対わざとだ)雑談は御法度である。
 そんな実験中、各机を回っていた先生がヴェイグの顔をのぞき込んだ。
「・・・なん、です、か?」
 じいっと見つめてくる先生に対して、ヴェイグは怪訝そうな顔をする。
 班のメンバーも、思わず動きを止めた(液体を持っていなくてよかったと思う)。
 どんどんジェイド先生の顔が近づいて、鼻が触れ合うくらいまでになる。
 それなのに、ヴェイグは動こうとしない。怪訝そうな顔が不思議そうな顔になって、時折瞬きながら先生を見つめ返している。
 ふつうならもうちょっと距離をとるとか、するよな・・・?
「寝不足でしょう。隙だらけですよ?」
「っ!」
 耳元で囁いた声が聞こえたのは、たぶんヴェイグとオレだけだったと思う。

2時間目の生物

(班の奴らが注目してたおかげで、助かった)

  

こんなに目立つとは思ってなかったジェイド先生w
アスベルしか気づいてなかったらキスとかしちゃう勢い
声にびくってなったのが最後。図星さされてちょっと赤くなってたりしたらかわいいなとか
110618