本来なら睡眠補給にぴったりな昼休み。まあ少々うるさいのを我慢すれば、だが。
オレもセネルも寝かせてあげたかったものの、体育昼食というコンボにテンションを上げた空気の読めない緑の男によってそれは叶わなかった。
ヴェイグヴェイグと、好きなのはいいがそれならもう少し空気を読むことを学んでほしい。
そんなこんなで始まってしまった五限目。
授業は学校側の策略としか思えない歴史。寝ろと言わんばかりだ。
「おら、起きろよ」
教科書を片手に教室を歩いている先生が、寝ている生徒の頭を叩いて回る。
起こしてくれればまだいい方で、突然指名されて答えさせられるときも多い。そして当然答えられるはずもない。正直な話、意地の悪い教師なのだ、ユーリ先生は。
ティトレイの席に直行している先生から目をそらし、ふとヴェイグを見やる。
・・・・やばい、完全に寝てる。
日の当たる窓側があたたかいのも災いして、机に突っ伏してしまっている。静かな分声をかけて起こすに起こせず、オレはごめん、と声もなく呟いた。
「・・・で、このとき・・・」
教科書を読みながら先生が近づいてくる。やばい、と思ったのも束の間、先生はまるで気づかなかったように通り過ぎた。
・・・あれ?
一瞬視線がヴェイグに向かったのは確かだ。それでも起こさなかったのは、珍しかったからろうか。
あとで当てるつもりなのかもしれない。余談だが、それをするときの先生はものすごく楽しそうだったりする。
そんなオレの当たってほしくない予想は本当に当たることなく、チャイムが鳴るまで先生がヴェイグの名前を呼ぶことはなかった。
(・・・なんだ?)
ユーリさんを先生にしたかった(笑)
歴史じゃなくてもよかったんだけど、なんとなく社会系
得意とか不得意とかのイメージがないです
110621