チャイムが鳴る。ヴェイグが小さく身じろいだ。
後ろではまだ授業は終わってもいないのにティトレイの声がする。よく寝たぜー!とか言ってるから、多分現状が理解できていないんだろう。
ユーリ先生が呆れ顔で肩を竦めた。
「授業はここまで。寝てたヤツはノートくらい写させてもらっとけよ」
言うだけ言った先生がこっちを見やった。
条件反射で目をそらし、ヴェイグを窺う。ようやく眠りから覚めてきたらしいヴェイグが、ぼんやりと先生を見ていた。
「リュングベル、これ運ぶの手伝ってくれるか?」
・・・・なんで、ヴェイグなんだ?教科係はちゃんといるのに(ちなみに生物とならんで異様に競争率が高かったりする)。
ぱちぱちと目を瞬いているヴェイグと、教壇の先生を見比べる。
「ヴェイグ?大丈夫か?」
寝起きの頭で理解に時間がかかっているらしいヴェイグに声をかける。
我に返ったらしいヴェイグに、先生がもう一度リュングベル、と呼びかけた。
「・・・はい」
ヴェイグが頷く。その瞬間、先生の目が優しくなった、気がした。
・・・気のせい、だよな?
やっぱりいつもよりゆっくり立ち上がって、前まで歩いていくヴェイグを見送る。
急かすこともなくそれを待った先生が、大して重くもなさそうな教材をヴェイグに渡した。別にこれ先生一人で問題ないんじゃ・・・。
というつっこみは口にしないでおいた。
(そして六限目、ヴェイグは戻ってこなかった)
結局はユリヴェイなんだぜ!←
授業中起こさなかったのはヴェイグだったから
ユーリさんが原因作ってもいいんだけど、とりあえずいいやw
リュングベルってかわいいよねとふと思いました
110621