二人がその場を離れてから、しばし。二人の男が姿を見せた。
宵闇にも隠れぬ金色の髪を持つ青年と、短髪黒髪の青年。
「待ってくださいよ!」
「なんだ」
ミルハウストさん!
己の名を大声で呼ぶ青年に、彼は冷静な顔で振り向いた。
うるさいぞギンナル、と溜息混じりに窘める。それにはっとして音量を落として、ギンナルと呼ばれた青年が駆け寄った。
「探さなくていいんですか?」
「・・・今日はもう、あいつは動かないだろう」
動かない以上、尻尾はつかめない。
続けたミルハウストに、ギンナルは不満そうな顔をした。
どうしてわかるんです?友人ってわけでもないのに。
友人であってたまるか、とミルハウストは思う。追っているのは犯罪者であって個人的な繋がりはなにひとつない。
行動が読めてしまうのは、それだけ翻弄された証。
「10年も追いかけているからな」
自分でも呆れる話だが。
聞き足りないという顔をした隣のまっすぐな新人を眺めて、ミルハウストはそれきり話を切った。
(ユージーン・・・何をしている・・・)
一部完、的な(適当)
ユージーンのことをわかってる人みたいなイメージにしたらミルハウストになりました
部下がギンナルなのにもこれといって意味はないw
130729