力が欲しい。全てを守れる力が。
ずっとそう思っていた。だから騎士になった。
力が足りないと思って鍛錬を積んだ。みんなを守るための力。
けれど、まだまだ足りない。
「非力だな、オレは」
剣を横に置いて座り込んだアスベルが、そう言って苦く笑った。
もう何度目かになる番人との戦いで、やっぱり負けてしまった。
一対一。条件は同じなのに。
対して立ったまま、けれど肩で息をしながらそれを聞いたヴェイグが、眉をひそめる。
お前は別に非力じゃない。そう言いおいて。
「・・・俺は、大切な人が守れればいいと思う。全てを守るなんて、」
それは傲慢だ。
言葉にならなかった部分をそう聞き取って、アスベルは息を飲む。
力を求めるということに対しては同じ。けれど、その力の使い方は違う。
全てを守りたいと願ったアスベルと、大切な人を守りたいと願ったヴェイグと。
同じと見せて大きく異なるその目標が、勝敗につながったのだと。
番人の短い言葉の中にその真意を読みとると、アスベルは大きく息をつく。
「そう、か・・・そうかもしれない」
呟いて立ち上がったアスベルは、なんだか吹っ切れたような顔をしていた。
「鍛錬して、また来るよ」
そのとき、もう一度相手をしてくれないか?
その言葉にヴェイグは頷いて、小さな笑みを見せた。
(ああ、待っている)
マイソロ設定の予定がいつの間にかTOGになってた←
そんなわけでちょっとアスベルが矛盾してる感じが
Gでは大切な人を守るため(というかこれ以上失わないため)に騎士になった気がするんだけど、マイソロだとたくさんの人を守りたいみたいな感じがするんですよね
ヴェイグが強くなりたい目的は最初から最後までほぼ一貫してクレアを助けたい、守りたいっていう一点のみだったと思うので
実力差っていうよりも思いの差みたいなのがあるんじゃないかなと
・・・とか書いてみたけど実はよくわかんないです!←
110311