花氷*


食堂を訪れたアニーは、珍しく調理場に立っていたユーリと遭遇する。

貴重なユーリのお手製スイーツを食べてご満悦のアニーを同じようにスイーツを口にしながら見ているユーリも、満足げな笑みを浮かべていた。

自分の作ったものをおいしいおいしいと食べてくれるのに悪い気持ちにはならない。

そんな二人の居心地のいい沈黙で、ふと口を開いたのはユーリだった。

尋ねたのは彼女の持つ特殊な力のこと。

ヴェイグの氷、マオの火はわかりやすいが、雨のフォルスとはどんな能力なのか。

アニーは少し悩んで、仕組みを説明する。一通り聞いたユーリがうん、と一つ頷いた。

「言ってもいいか?」

アニーが小首を傾げて、なんですか?と返した。

どうしようかと少々悩む。けれどまあいいかと悩むのを放棄して、

「お前のフォルスって、役に立つのか?」

「・・・っ!」

直球。

アニーは一瞬目を見開いて押し黙った。何度か口を開こうとして、けれど開いた口からは声が出てこない。

やがて幼さを残した顔にうっすら涙が浮かぶと、ユーリは慌てて謝罪を入れた。

恨めしげに、アニーが睨んでくる。

「や、悪かったって。雨ってことは水だし、ヴェイグの氷とは相性いいよな」

「そうです!」

とりあえずフォローを入れようと、ヴェイグの名前を出した。

彼女がヴェイグを好きなのは誰の目にも明らかで、わかっていないのは本人を含めたごく少数。

だから機嫌も直るんじゃないかというちょっとした打算もあった。

そんなユーリに気づくことなく、アニーは明るく頷いた。

ヴェイグさんとなら連携もできるし、協力してフォルスも使えるんです!

そう語るアニーはなんだか得意げで。

ユーリは機嫌が直ってよかったと思う反面、少々不満も残る。なんだか特別な、その関係に。

ユーリは笑顔を取り戻したアニーににやりとこちらも笑みを向け。

「ま、ヴェイグはオレのだけどな」

改めてした恋人宣言に、アニーがむ、と頬を膨らませた。

(ユーリさん・・・いじわるです!)

  

  

雨なのでアニー
案外仲いいかもしれないと思いながら書いた。ユーリさんは大人げないw
雨のフォルスってなんだろうと考えた結果、雨ってあえて言うくらいだから水とは違うんだろうなぁと思って
湿気を操ったりするのかもしれないとか。ある範囲の湿度を100%にして雨を降らせるとか、最初の道に迷ったりしたところも湿度とか操って雪とか降らせたのかなぁと
考えてはみた。みたんだけど簡潔に説明できないから説明はカットしました←
アニーは戦闘システムで損してる子ですよね
101224