花氷*


「あ、ヴェイグ!」

呼びかけたと同時に隣に落ち着いたシングを見下ろす。

一度共に依頼にでてから、シングはたびたびヴェイグに声をかけるようになった。

かけたからと言ってどうということはなく、シングが一方的に話をしてヴェイグは相づちを打つ、というもの。

「どうした?」

やけに目を輝かせているシングに尋ねた。シングはますます目を輝かせて頷く。

オレさ、

「ヴェイグのことすごく好きだ!」

瞬間、周囲の空気が固まった。直球すぎる言葉がホール内に響いて消える。

依頼をもらいに来ていた者、達成の報告に来ていた者、食事をとろうと研究室から出てきた者など、珍しく人通りが多かったホールに落ちた、一つの爆弾。

そしてその爆弾を受け取ったヴェイグは、いつものように沈黙を挟み。

「・・・ああ、俺も好きだ」

ごくごく自然に、そう返した。

張りつめた空気が緩む。

シングのはどちらかわからないが、ヴェイグのは確実に家族に向けるものに似たそれ。

対するシングは不満げな表情を浮かべることもなく、嬉しそうに頷いて見せた。

手合わせをしてくれと甲板に誘うシングに了承を返す。

弟が兄に懐くような二人の様子に安心したのはつかの間。

「オレ、諦めないからね!」

ガンドコいくよ!という言葉を最後に、ホールと甲板を隔てるドアは無情にも閉じた。

青信号

(オレの前はいつだって青信号!)

  

  

予想外の展開です、ね!←
シングはヴェイグに懐いたらいいなぁ。という気持ちがシンヴェイにするかという邪念とぐるぐるした結果こんなことになりました
ヴェイグはみんなに愛されてたらいいと思うんだ
でも具体的に誰とは決まってないおかげで中途半端です
シングはいつでも直球勝負で天然入ってるので本気なんだろうけどどこまでが本気なのかわからないみたいな子だったら・・・うーんちょっとやだな←
しかし青信号どこいったw
110528