花氷*


幸せを運ぶ青い鳥。

ボクにとっての青い鳥はキミだよ、ヴェイグ。

滑らかな白銀が光を受けて輝くのも、同じ色が縁取る空にも似た氷色の瞳が時に激しく、時に穏やかな色を湛えるのも、すべてボクの鳥に相応しい。

キミがほんとうにボクのものになってくれるなら、ボクは世界で誰よりも幸せになれる。

だから、さあ。

  

  

「ボクの腕に飛び込んでおいで、ヴェイグ!」

サレはそう言って、腕を広げた。

周囲の音が失われて、景色もなんとなく歪みを帯びる。

ヴェイグはサレをじっと見つめて、動かない。

その空気を最初に破ったのは当事者ではなく、傍観者。ヴェイグに駆け寄り、肩に手をやる。

びく、と身体が震えて、ヴェイグが振り向いた。

「・・・ゆー、り」

いつにも増して小さな声がユーリの名を呼ぶ。

ゆっくりと瞬きをして、ヴェイグは震える唇を開いた。

どうしよう、

「・・・寒い・・・」

背筋どころか身体全体をなにか嫌なものが駆け巡り、全身の血が冷えた気がする。

グローブ越しの指先まで冷たくなっていた。鳥肌が治まらない。

ヴェイグの言葉に目を見開いたユーリが前に回り込み、サレの姿を遮る。

「とりあえず深呼吸しろ。大丈夫、オレがついてる」

小さく頷いたヴェイグに、ユーリは安心させるように笑ってみせた。

 

 

「ちょっと、そこの黒いの!ボクの邪魔をしないでくれな・・・ッ?」

「テメエが邪魔してんだよ」

抗議の声を上げたサレの頬を光の矢が掠める。紫の髪が数本舞った。

視線の先には、ゴーグルを上げたヒスイの姿。

そこに注意を向けたと同時に感じた首筋の刃。ひやりとした感覚をもたらしたのは、いつの間にか真横に移動していたディセンダー。

に、と笑った世界樹の申し子から、ものすごいオーラが出ていた。

青い鳥

(青い鳥は手に入らないって、言うだろ?)

  

  

サレ様ごめんなさいw
ちょっとしたギャグにしてみたかった結果がこれだよ!ギャグセンスのなさに全俺が泣いた←
わたしの文だとギャグに合わない。結局ユリヴェイに落ち着くのはもうお約束です
後半はもはや蛇足ですが書きたかったので。ヒスイお兄ちゃんはみんなのお兄ちゃんだと思っています
ディセンダーはそういえば出てないなと思って出してみた。性格があんまり固まってませんが
ちなみに盗賊。いずれ出てくるかもしれないです
冒頭のサレ様が気持ち悪くて楽しかったですw
110531