オレのは自然体なんだよ!だからいいんじゃねえか!
ものすごく得意げに言ったティトレイを思い出しながら、ヴェイグは自らの髪の毛先を眺める。
だいぶ伸びたな、と心の中でもらした。
このところディセンダーにつきあって外出することが多かったし、習慣でほとんど無意識と言ってもいいくらい片手間に三つ編みを作ってしまうものだから、長さまで気が回らなかった。
そもそもある程度まで長くなるとその後の長さはあまり気にしないものだ。とヴェイグは思っている。
そんな理由で放置されていた散髪の必要性に気づいたのは、ふとこぼされた恋人の言葉だった。
「髪、随分伸びたな」
切らないのか?なんて言われて、ようやく思い至ったのである。
ヴェイグは小さく頷いて立ち上がり、部屋を出た。
「マオ、今大丈夫か?」
「うん、大丈夫だヨ!どうしたの、ヴェイグ?」
歳の近い仲間たちと甲板で走り回っていた(こういうところはまだ子供である)マオに声をかけると、軽い足音を立てて駆け寄ってきた。
無意識に髪に触れてから口を開こうとすると、その前にマオが何かに気づいたようにぽんと手を叩く。
「そっか、髪だネ」
準備してくるから待ってて!と元気よく言って駆け出すマオを見送ると、ふとその背が振り返り。
遠くから言われた言葉に、ヴェイグは小さく笑って頷いた。
(けれどティトレイの髪型がいいとは思わない、なんて)
着地点が見つからないまま着地したらこうなりました
お題はティトレイさんの台詞のみみたいなこの無理矢理感←
恋人はお好きな人でどうぞ
最後のマオの台詞はたぶん切りあいっこしようね!とかそんな感じです
お互いに髪切りあってたらかわいいなぁとただそれだけのお話
120616